テニスのフォアハンドのテイクバック 面とヘッドの向きは大丈夫?の段

 

テニスのフォアハンドのテイクバックについて解説していきます。

やってはいけないNGなテイクバックもご紹介するので、「ボールが切れる・・・」などでお悩みの方にとっては解決の糸口になるかもしれません。

カエル
わいも全然疑うことなくやっとったのが間違いやと気づいてショックやったわ。

 

時間の無い方は最後にご紹介するオススメ動画を観てもらうだけでも十分です。

 

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テニスのフォアハンドの打ち方を安定させる7つのコツの巻!

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真っ直ぐ引くか、回して引くか

まずテイクバックは左手(非利き手)主導です。ラケットに添えた左手でぐーっとひねります。肩で壁をつくり腰を回すイメージですね。

左手の使い方について詳しく知りたい方は以下の記事をみてください。二度引き(最初にラケットだけ引いて、肩や腰を後から回すこと)は振り遅れの原因なので、左手をうまく使いましょう。

 

で、このときラケットを直線的に真っ直ぐ引くやり方と、上のほうへループするような感じで回して引くやり方と2通りあるのですが、どちらがいいのでしょうか?

結論からいえば、これはどちらでもいいです。やりやすいようにやってください。

真っ直ぐ引くとラケットは低い位置に、ループするとラケットは高い位置にセットされます。ループするやり方のほうが多いのですが、実際は円を描くというより身体の右側で振り子のような軌道になる場合が多く、それだけコンパクトにテイクバックしてスイングする選手が多いということです。

結局、真っ直ぐ引くイメージでも、ループして引くイメージでもスイングは振り子の軌道になります。下手に大きく円を描くように引こうとするのはNGです。あくまでコンパクトに。

真っ直ぐ引くイメージならば、伊達公子選手が思い浮かびます。インパクト重視でライジング気味の返球が多いです。かなりコンパクトなテイクバックなのですが、インパクトできちんと面をつくってさえいれば、ボールは真っ直ぐ返球できます。

 

大切なことは、ラケットの引き方よりも「コンパクトなテイクバック」と「テイクバック時のラケット面とヘッドの向き」です。その2つさえ気をつけていれば大丈夫です。

引きすぎるのはNG

ではなぜ、ラケットを引きすぎず「コンパクトなテイクバック」を心がけるべきなのか。

ラケットを大きく引く理由は「パワーを出したい」から、ですよね?それ以外の理由は特に見当たらないかと思います。大きく引くことで身体の遠心力を強め、球威を出す。

でも、そんなにうまくいきますか?ロスなく全てのパワーを打点に集約できますか?速いボールや深いボールに詰まることなく打ち返せますか?

 

結果はプロが物語っています。プロの多くはコンパクトなスイングです。具体的にいうとテイクバックしたときに腕やラケットは身体の右半身側に収まっています。つまり、ラケットが身体の左側まで回ってしまうようなテイクバックは引きすぎです(正確には肩をひねって結んだ軸上までであれば引きすぎとは言わないのですが、難しいことは考えずに右半身に収める意識でいたほうがよいでしょう)。

 

ジュニア選手などは身体が出来上がっていないので、パワーを出そうとするとテイクバックを大きく取りがちです。ですが、そうすることで多くのデメリットが生まれます。

  • 打点までの距離が長くなるため、振り遅れる
  • 打点までの距離が長くなるため、高い打点で捉えられない
  • 打点までの距離が長くなるため、スピードボールに対応できない
  • 打点に間に合わせようとして身体の開きが早くなり、結果パワーもロスする
  • テイクバック完了が遅くなるので右足に十分に体重が乗らず、結果パワーもロスする

 

レベルが上がり、早い展開になると、パワーと安定の両立が求められます。プロはスイングをコンパクトにして安定性を上げる代わりに、ガッツリ体幹を鍛えてパワーを上げます。相手のパワーを利用したカウンターショットのためにもコンパクトなテイクバックは不可欠です。

カエル
テイクバックはコンパクトに!鉄則やから覚えといてな。
・・・あ、そうや!パワーを出したいから以外にあったわ!大きく構える理由!ダブルスでの相手前衛へのプレッシャーやな。相手前衛に「ぶつけてやるぜ!」って気迫を見せつけて怯ませるときに、大きなテイクバックは有効や。ただ、ほんまに打ったら大抵アウトかネットするから、頭はクールに、フェイント的な使い方をおすすめするで。

 

ただ1つ注意すべきは、「コンパクトなテイクバック」と「窮屈なテイクバック」は違うということです。

テイクバックしたときに右脇が締まっているとスイングが窮屈になります。力感のある固いスイングになります。なので、ラケットを引きすぎないのは大事ですが、窮屈にならないよう右脇はコブシ1〜2個分くらいは空けておくことも大切なポイントです。

 

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ラケット面とヘッドの向き

コンパクトなテイクバックと合わせて着目すべきなのが「ラケット面とラケットヘッドの向き」です。

テイクバックしたとき、ラケット面(フォアを打つほうの面)とラケットヘッド(ラケットの一番上、グリップエンドの反対)はどこを向いていますか?

 

面が外、かつヘッドが後ろを向いている方・・・残念、NGです。

部活で軟式をやってた頃の私と同じです。「面が外かつヘッドが後ろ」とはどういう状態かというと、フォアで打つ打点=身体の真横からそのまま90度後ろにラケットを引いた状態です。

先輩からラケットを振る軌道に沿って真っ直ぐに後ろに引くと習い、そのままラケットを振ってくれば綺麗に当たって一見良さそうに思えたのですが・・・。実はこれ、ヘッドが後ろはいいのですが、面が外(右隣のコート向き)はまずいのです。最低限、面は下(地面向き)に向けなければなりません。

 

面が外を向いていると運動連鎖的に打点で真っ直ぐに当てようとすると不自然な動きになります。そのまま引いてそのまま当てるのだから、不自然になるのが不思議と思われるかもしれませんが、自然に振ると腕や手首のねじりが加わります。なので、面が外の状態で自然に振ろうとすると、サイドスピンがかかって振り遅れたようなボールになってしまうのです。

私はそうとは知らず、横に切れる性格の曲がったようなボールに悩み、テイクバック以外のところを直そうとしました。結果、うまくいくわけもなく、不自然なフォームの出来上がりです。きちんとしたコーチがいない環境だと我流になってしまいがちな良い事例です。

 

では、どうすればいいか。

 

おすすめは3つで、

  1. 面を下、ヘッドは後ろを向くシンプルなテイクバック
  2. 面を外、ヘッドは上を向く力の抜けたテイクバック
  3. 面を外、ヘッドは前を向く攻撃的なテイクバック

です。おさらいがてら補足しておくと「下」は地面方向、「外」は右隣のコート方向、「後ろ」はフェンスや壁方向、「上」は空の方向、「前」は相手コートの方向、をそれぞれ指します。

 

1番は私の失敗例の状態から、面を伏せた状態です。面を下に向けることで、自然なスイングのなかのひねり動作によって、インパクトの瞬間ボールに真っ直ぐ当たります。小手先の操作は必要ありません。最も素直かつコンパクトなテイクバックでボールに合わせやすいのが特徴です。2つデメリットを上げるとすれば、ラケットを低い位置で構えることが多くついつい左手が疎かになりがちなことと、テコの原理で右手にラケットの重量が大きく加わることです。

 

2番は1番のデメリットを解消した形です。ヘッドを上に向けることで右手に加わる重量は減って軽く感じるので力が抜きやすくなります。また、高い位置で構えることになるので、右手一本で引こうとするよりも左手を使ったほうがラクだと感じやすいです。そして高く構えるので高い打点に合わせやすく、ヘッドが上を向いているのでフラットで叩きやすいのも特徴です。

 

3番は2番を更に攻撃的にした形です。スイング時の前腕や手首のひねり動作が大きくなる分パワーが出やすいです。ハードヒッターに多いテイクバックだといえます。

 

多くの選手は2番〜3番、すなわちヘッドが斜め前方向を向くようなテイクバックを用います。初心者で相手のボールに合わせることに主眼を置くなら1番がおすすめですが、可能なら2番〜3番にチャレンジしてほしいところです。テイクバックは左手で行うものですが、同時にグリップエンドを右手で引くイメージもしくは右肘を引くイメージをもつと2番〜3番の形にしやすいです。弓を引くイメージにも似ているかもしれません。

たとえ、2番・3番であっても「テイクバックはコンパクトに」を決して忘れないようにしてください。右手や右肘が回りすぎていないか確認します。ラケットを高く構えるので、つられてテイクバックを大きく取りがちですが、右半身側までに抑えるように要注意です!

カエル

軟式やと「これでもかっ!」ってくらい大きく構えて叩くプレーヤーが多かったけど、回転運動でスピンボール主体の硬式に較べて、体重移動でフラット主体の軟式、さらには前衛へのプレッシャーが重要な軟式やから、ちょっと事情が違ったのかもな。

とはいえ、運動連鎖で考えると大きなテイクバックはムダが多い!
やから、ラケットを立てて気が大きくなっても、テイクバックまで大きくなってないか常にチェックしてな。

さいごに

つべこべ言わずに、この動画を観てください。特に初心者の方、必見です。

▼あと「できてるつもりができていない」ということがあるので、こちらも参考に読んでみてほしいです▼

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