テニスのデュースのルールに特化して解説していきます。
まずはカエルくんがウンチク語りたいらしいです。
カエルのウンチク長えぇぇ!!
あ、そうそう、バレーボールはできて120〜130年くらいのスポーツなんやけどな、テニスを元にできたって話や。ゲームを簡単にするためにラケットの代わりに手を使ってな、ほんでテニスのボレー(volley)に見立ててバレー(volley)ボールになったんやと。卓球も雨とかでテニスできんときに屋内で暇つぶしに始めたらしいし、やっぱりテニスは偉大やな!
まだ喋るか。。大分長いので無視して進めましょう。
ひとつ覚えておいてほしいのは、デュースが「2」とか「あと2ポイント」とか「平等」とかに関係するルールってところです。
テニスにおけるデュースとは
まずはポイントの数え方について少しおさらいします。
15−15はフィフティーンオール
30−30はサーティーオール
では40−40は?
答えは「デュース」です。
ルールによってはフォーティーオールになることもある(後述)のですが、一般的にゲーム中にカウントが40−40に並んだ状態のことを「デュース」といいます。カウントが並んでるから「平等」なんですね。
で、通常は1ゲーム4ポイント先取なので、次のポイント(4ポイント目)を取ったほうがゲームを獲るかのように見えます。
が、デュースになると、ここから2ポイント差をつけなくてはならないのです。
40−40の状態からサーバー側が1ポイント取ったとします。
すると、Aー40と表記し、「アドバンテージサーバー」とコールします。サーバーが優勢という意味ですね。
あるいは40−40の状態からレシーバー側が1ポイント取ったとします。
すると、40−Aと表記し、「アドバンテージレシーバー」とコールします。レシーバー優位という意味です。
で、Aー40の状態からサーバーが、あるいは40−Aの状態からレシーバーが、もう1ポイント取ると
相手に2ポイント差をつけることとなるので、ゲーム獲得(Gー40,あるいは40−G)となります。
しかし、2ポイント連取できずに取り返された場合、カウントは40−40に戻り、「デュースアゲイン(デュースアゲンと聞こえる)」とコールします。
以下繰り返しで、サーバーかレシーバーのどちらかが相手に2ポイント差をつけるまで延々と「デュース(デュースアゲイン)」が続きます。デュースの回数に制限はありません。これはまさに相手にデュース上げんとする戦いです:D
それでは、表でおさらいしてみます。
サーブ側 | レシーブ側 | ポイント表記(コール) |
1 | 1 | 15−15(フィフティーンオール) |
2 | 2 | 30−30(サーティーオール) |
3 | 3 | 40−40(デュース) |
4 | 3 | A−40(アドバンテージサーバー) |
4 | 4 | 40−40(デュースアゲイン) |
4 | 5 | 40−A(アドバンテージレシーバー) |
5 | 5 | 40−40(デュースアゲイン) |
6 | 5 | Aー40(アドバンテージサーバー) |
7 | 5 | Gー40(ゲーム) |
デュースサイドとアドバンテージサイド
主にダブルスのときや、サーブ・レシーブをするときに、デュースサイド・アドバンテージサイドという用語を耳にすることがあるかと思います。
図はコート全面(ダブルスコート)で描写しています。
デュースサイド・アドバンテージサイドという言い方は、お察しの通り、デュースのルールからきています。
デュース(同点)になったときにサーブ・レシーブするサイドが「デュースサイド」、
どちらかがアドバンテージになったときにサーブ・レシーブするサイドが「アドバンテージサイド」です。
アドバンテージサイドのことは、アドサイド・アドコートと言ったりもします。
なお、日本では右利き前提で、右手側(デュースサイド)のことを「フォアサイド」、
左手側(アドバンテージサイド)のことを「バックサイド」と言ったりしますが、
左利きだと逆になってしまうので、英語表現としては正しくありません。
タイブレーク時のデュース
タイブレーク周辺の細かいルールは別記事で説明するとして、タイブレーク時のデュースについて少し触れておきます。
まず、タイブレークを一文で表すと「ゲームカウント6−6になったときに、7ポイント先取でそのセットの勝敗を決する」というものです。
細かいことは抜きにして、1ゲーム4ポイント先取だったのが、そのゲームだけ7ポイント先取になると考えてください。
で、このときデュースはどうなるのかといえば、通常の4ポイント先取のゲームとなにも変わりません。
ただ、40−40でデュースになるところが、6−6(シックスオール)でデュースになるというだけです。
タイブレークでのポイントが6−6で並んだとき、デュースに入ります。
入ったあとは通常のゲームと同じく、相手に2ポイント差をつけたほうがセットを取るというだけです。
ノーアドバンテージ方式とは
ここまでテニスのデュースの仕組みを説明してきました。
ですが、試合によってはデュース無しの試合もあります。目的は主に円滑な試合進行です。
このデュース無しの試合方式のことを、ノーアドバンテージ方式、略してノーアド方式といいます。
ノーアド方式では、たとえ40−40になったとしても次の1ポイントでゲームが決まります。
40−40になると
- 審判がいる場合は「デュース ディサイディングポイント レシーバーズチョイス」とコールされる。
- サーバーがレシーバーにどちらのサイドでレシーブするか尋ねる。
- レシーバーがデュースサイドかアドバンテージサイドか選び、サーバーに伝える(ダブルスの場合は、どちらサイドの人がレシーブするか選ぶ)。
- 審判、もしくはセルフジャッジならサーバーが「フォーティーオール(デュースでも可)」をコールし、サーブを打つ。
※ コールについては「デュース」が正式らしいのですが、デュース無しなのに「デュース」って意味わからないですよね。個人的にはフォーティーオールのがわかり良いです。
プレーヤーにとっては、ノーアド方式は諸刃の剣やな。デュースがない分、ゲームの組立ては序盤戦が重要になるし、40−40になったときのここ1本の集中力がより問われることになる。得意な人にとっては格上を倒す良いチャンスかもな。
あと、リターン側が自分の得意なサイド、あるいはサーバーが苦手そうなサイドを選ぶことができるから、リターン側に有利なルールとも言えるわな。ミックスダブルスやとサーバーと同性がリターンするように予め決められてることもあるから、その限りではないんやけどな。
デュース有りとデュース無しを間違えた場合
ノーアド方式の試合なのに、デュース有りと勘違いして試合を進めてしまうこともあります。
その場合、次のようになります。
プレーヤー双方がデュース有りと勘違いした場合
この場合、両者とも勘違いしているわけですから、ある意味問題ありません。
試合が終わった時点で気づいても試合無効とはなりませんし、デュースを経てゲームが終わった時点で気づいてもそのゲームは有効です。
また、ゲーム中(ポイント間)にノーアドだとどちらかが気づいて相手に伝えた場合は、
- その時のカウントが「デュース」なら、その時点で「ノーアド」に切り替え、次の1ポイントでゲームを決める。
- その時のカウントが「アドバンテージサーバー」「アドバンテージレシーバー」なら、次の1ポイントでデュースが終わればそれでよし。「デュースアゲイン」となったなら、その時点で「ノーアド」に切り替え、その次の1ポイントでゲームを決める。
片方だけデュース有りと勘違いした場合
厄介なのが、片方だけ勘違いしているケースです。
デュースになった時点で、勘違いレシーバーAがデュースサイドで構えます。それを見て、サーバーBもデュースサイドからサーブを打ち、ポイントしたとします。すると、勘違いレシーバーAはアドサイドで構えているではありませんか。サーバーBは「ノーアドなのでゲームですよ」と伝えます。そしたら勘違いレシーバーAは「は?だったらなんでさっきサイド選ばせなかったんだよ?!」と激昂します。
この場合、どうなるのでしょうか。
結論から言えば、ノーアドには違いないのでサーバーBのゲームとなります。ルールを把握していなかった勘違いレシーバーAが悪いですね。
とはいえ、サーバーBもレシーブするサイドを確認しなかったのは大問題です。こんなことがあると両者ともに集中力を乱され、試合どころではなくなります。サーブ・レシーブは特に、サーブを打つ前の相手の意思確認が重要ですし、大事なマナーです。基本はサーバー側からきちんと確認するようにしましょう。
セミアドバンテージ方式もあるよ
たまにですが、セミアドバンテージ方式、略してセミアド方式なるものもあります。
賢明なあなたはお察しの通り、1度だけデュースを実施する方式です。
どういうことかというと
- 40−40になると、まずは「デュース」
- サーバーが次のポイントを獲って「アドバンテージサーバー」(あるいはレシーバーが獲って「アドバンテージレシーバー」)
- その次のポイントを相手が取り返して「デュースアゲイン・・・」
- と、見せかけて!! アゲインせずに「フォーティーオール(デュースでも可)」
- レシーバーズチョイスで、レシーバーがどちらかのサイドを選ぶ
- そのサイドでの1ポイントでゲームが決まる
賢明なあなたならお分かりの通り、ただただややこしいです。やめていただきたい。
さいごに
テニスにおけるデュースのルール、そしてデュース無しのノーアドバンテージ方式のルールを確認しました。
デュースは喩えるならば天秤のような、あるいはシーソーのようなものです。
如何にゲーム展開をデュースまで持ち込むか、そして如何にデュースを制するかがテニスの醍醐味の一つだと言えるでしょう。
このシーソーゲームのなかでこそ生まれる熱い試合をぜひ楽しんでみてください。