テニスのセルフジャッジはトラブルにご用心!?の段

 

テニスのセルフジャッジについて、あれやこれやお話します。

 

セルフジャッジとは「主審や副審(その試合専用の審判)が不在で、試合をしている当人達が自分達で判定を下す」仕組みで、これはテニスが紳士・淑女のスポーツという前提があるからこそできることだといえます。セルフジャッジの試合は多く、練習になるとセルフジャッジが普通です。練習や市の大会くらいなら納得ですが、プロ(下部ツアー)でさえセルフジャッジがあるくらいです。

 

セルフジャッジでは基本的に、ネットを挟んで自分側のコートについては自分が、相手側のコートについては相手が判定を下します

 

ということは・・・

入った・入ってない、言った・言わない等、、様々なトラブルを抱えることは容易に想像がつきますね^^;

 

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▼ セルフジャッジ以前の基本ルールについて ▼
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テニスのセルフジャッジの5原則

日本テニス協会が発行した「セルフジャッジ5原則」に関するチラシがあります。以下がセルフジャッジの基本の「キ」です。

1,判定が難しい場合は「グッド」(相手に有利に)!
2,「アウト」または「フォールト」はボールとラインの間に、はっきりと空間が見えたとき!
3,サーバーはサーブを打つ前、レシーバーに聞こえる声でスコアをアナウンス!
4,ジャッジコールは、相手に聞こえる声と、相手に見えるハンドシグナルを使って速やかに!
5,コートの外の人は、セルフジャッジへの口出しはしない!

 

ボールが髪の毛1本でもライン上を掠めたならそれは「イン(グッド)」になるわけで、ボールとラインの間にはっきりとコートの地面が見えたとき以外はすべて、相手有利の「グッド」となるわけです。

カエル
疑わしきは相手に有利となるように、っちゅーことやな。

 

また、サーバーがサーブ前にスコアを大きな声でアナウンスすることは義務です。

カエル
ボソボソ言うとったら、あとでスコアの勘違いが起こってトラブルのもとやで。こんなことで相手からどうこう言われとうないしな。

 

ジャッジコールについては「沈黙はイン」と覚えておきましょう。

カエル
たとえ「アウト」やと思っても、相手がなんも言わんかったらそれは「イン」やで。実際「アウト」やったとしても、あとになって「アウトでしたね」なーんて言われてもそんなん知らんしな。だから、コールの無い限りは全て「イン」やと肝に銘じてボールを止めんようにな

うさぎ
ハンドシグナルについて覚えてほしいのは2つね。「アウト」と「フォールト」は同じシグナルで、どちらかの腕を上げて肘を90度に曲げて人差し指を立てる。「イン(グッド)」は腕を水平より斜め下に真っ直ぐ伸ばして手のひらを地面に向ける。上げたり伸ばしたりするのは、身体の横でも前でもどっちでもいいわよ。

 

あとはコート外の人間は、セルフジャッジにとやかく言わないこと。たとえ団体戦でもブーイングなど以ての外です。そんなことするくらいならその場から消えてください。

 

 

コート全体を見渡すチェアアンパイア(主審)がつく試合でも、ライン上の際どいボールはフォルトやイン・アウトの判定が難しいものです。人間の目では限界があります。だからこそウインブルドン等ではホークアイシステムに頼っているわけです。

ましてやプレー中の人間の判定だと更にブレが生じます。多少の誤差でインをアウトと言ったり、アウトをインと言ったりするのは仕方ないことです。誤審上等です。いちいち気にしないほうが身のためです。

あからさまに自分に有利な判定を下すのは論外ですが、微妙な判定が続いても相手に文句を言われる謂れもないですし、ましてや文句をつけたりするのはゼッタイやめましょう。繰り返しますが、テニスは紳士・淑女のスポーツなのですから。

もし相手に文句をつけられても自コートの判定権は基本自分にあるので、聞き流してしまえばOKです。いちいち取り合わないことです。それでも揉めるようであれば、大会本部やロービングアンパイア(複数コートを巡回し円滑な試合進行のサポートをする審判)に訴えることになります。

セルフジャッジあるある

うさぎ
セルフジャッジの〜♪
あるある言いたい〜♪
あるある言いたい〜〜♫
ここでは現実によくある状況についてケーススタディしていきます。基本の「ホ」ですね。

ポイントがわからなくなる

相手サーバーのスコアのアナウンスの声が小さく、無視して自分でカウントしていた。

こちらはデュースだと思ったが、相手はゲームだと言う・・(´・ω・`)

 

わからなくなってしまったポイントはそうそう思い出せません。主張が食い違うと尚更です。

こういう場合は、まず双方のプレーヤーの認識の合うポイントまで遡ります。そして双方のプレーヤーが合意できるポイントを加算して再開します

思い出せないんだから、思い出せる範囲で感覚的に勝ってた負けてたを決めちゃおうって話ですね。

もし揉めるようなら大会スタッフを呼んで間に入ってもらいましょう。

 

明らかなエースをアウトにされた

強烈なダウンザラインがコート隅に決まった。明らかにライン内側で確定的エース!

と思ったら、相手の「アウト」のコール・・(´・ω・`)

 

残念ですがセルフジャッジの原則通り、相手のジャッジを尊重しましょう

しかし、ゲーム中に何度もこういう不明なジャッジをされたら、大会スタッフを呼んでしばらく試合の様子を見ていてもらうことで相手に釘をさしましょう。

 

あるいはもし、クレーコートの場合はボールマーク(ボール跡)が残るはずなので、相手プレーヤーにクレームを言って一緒に確認することができます。全仏オープンでチャレンジシステム(ホークアイシステム)が採用されていないのもこれが理由です。

 

クレー以外のコートではボールマークが残らないので、クレームを言えるのはクレーだけ( ̄ー ̄)ニヤリってことですね。

 

レイトコール

サーブを打った!相手がサーブを打ち返してきた!

こちらが3球目を打とうと構えたその時!「フォルト」のコール・・(´・ω・`)

 

レイトコールとは判定の遅いジャッジのことをいいます。

「フォルト」と言うならレシーブを打つ前で、打ってしかも暫くしてから「フォルト」と言っても基本的に無効です。あとの祭り。

 

同じように相手ボールがアウトしたかどうか微妙だったので、相手コートに打ち返して、なおかつそのボールが入ってから「アウト」とコールしても当然無効、インプレーとなります。

微妙なとこですが、よく見えない場合は返すしかないので、打ち返してネットを越えるくらいまでに「アウト」とコールすれば有効、レイトコールとはならないかと思います。

 

ダブルスでペアと判定が食い違った

ダブルスで自分は「イン(グッド)」だと思ってプレーを続けようとしたが、相方が「アウト」とコールした・・(´・ω・`)

 

ダブルスの判定は1人のプレーヤーが下せば成立します。しかし、ペアで判定が食い違った場合は、その時点で失点となってしまいます

なので、上記のケースでいえば相方がもし「アウト」とコールしなければ少なくともインプレーだっただろうし、自分が合わせて「アウト」といえば自分達の得点になっていたわけですが、最悪なことに判定が異なったことで失点してしまうわけです(´・ω・`)

 

ただし、救済措置があり、1回目の食い違いは「レット(ポイントレット)」となり、ファーストサーブからやり直しすることができます。2回目以降は上記の通り、即失点です。

 

また、サーブにおいて「フォルト」と「レット」で食い違った場合は失点とはならず、「レット」が優先されます。

カエル
練習やったら気にするルールでもないけど、公式試合やとおおごとやな。自分の判定に自信が持てんときは沈黙が金で、相方の判定に同意するのが吉や。
あとはそうやな、、アウトかもしれんボールやと相方に知らせるときに「ウォッチ!」って声を掛けるのも大事やな。

判定を間違えたので訂正したい

「アウト」って言ったけど、しまった!入ってた・・

あとから「やっぱり入ってました〜・・(´・ω・`)

 

「アウト」とミスジャッジしたあと直ちに訂正(コレクション)した場合は、1回目は故意ではない妨害行為としてポイントレットになります。ただし、ミスジャッジするに妥当な微妙なボール限定で、明らかなエースを「アウト」と言ってしまった場合は即失点です。そして、2回目以降はやはりコレクションした時点で即失点となります。

 

また、「アウト」とミスジャッジした後、コレクションしつつ打ち返したボールがネットやアウトになってしまった場合、1回目であっても失点となってしまいます。

カエル
まーなんやろ。。大きな声では言えんが、判定ミスったと思っても黙っとくことやな。。訂正せんかったらそのままアウトなんやから。微妙なボール限定なわけやし。
逆に「イン(グッド)」のボールを「アウト」に訂正っていう状況は有り得んよな。「イン」のときはコールせんからな。もたもた迷ってたらレイトコールになって損するで。とはいえ、微妙なボールは「グッド」が原則やからそれでええんやけどな。
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セルフジャッジのルールは2018年度から大きく変更された

最後に基本の「ン」、いきます。もはや応用編・・笑。

 

セルフジャッジのルールは財団法人日本テニス協会によって、実は毎年改訂されています。ルールをしっかり把握したい方は協会からテニスルールブックを購入して読まなければなりません。審判講習とかでも買わないといけないんじゃなかったかな、、Webに載せればいいのに。。

 

で、そのルール改訂ですが、実は2018年度を節目に大きな改訂がなされました。

2つあって、1つは先ほど取り上げたミスジャッジの訂正についてであり、2017年度以前は1回目の訂正から失点だったところが、2018年度から1回目はレット扱いとなりました。

 

そしてもう1つ。こちらがとても大きくテニス関係者界隈では衝撃が走りました。

なにかというと「判定の権限拡大」です。

 

原則として、ネットを挟んで自分のコートは自分が、相手のコートは相手が、ジャッジを行う権利を有するとお伝えしてきました。

具体的には「アウト、フォルト(フットフォルト含む)、グッド(イン)、ネット、スルー、タッチ、ノットアップ、ファールショット」について、自分側のコートは自分でジャッジするという意味です(フットフォルトは自分で気づきにくくやりたい放題なので、例外的にコート内のアシスタントレフェリーやロービングアンパイアが見ていた場合はコールすることができます)。

 

それが2018年度の改訂により、「ネット、スルー、タッチ、ノットアップ、ファールショット」については相手側のコートもジャッジ&コールができるようになったのです!

 

よくわからないと思うので、まずは用語から解説します。

テニス用語

ネット・・・サーブがネットに触れてからレシーバー側に落ちること。その後、サービスコートに落ちれば「レット」、サービスコート外なら「フォルト」になる。普通はコールされない。

スルー・・・ネットが破損し、ボールが網の目をくぐって相手コートに落ちること。

タッチ・・・ボールが身体や衣服に触れること。持ち物を相手コートに落とすこと。ボールがラケットにかすること。ラケットや身体がネットに触れること(タッチネット)。

ノットアップ・・・2バウンドのこと。

ファールショット・・・故意の二度打ち(故意でなければインプレーとなりファールショットではない)。ネットを越えた位置で打球すること(オーバーネット、ただし例外あり)。

 

2017年度まではこれらの判定はすべて自己申告制でした。例えばネットに衣服が触れてしまっても何も言わなければインプレーですし、2バウンドしても「ノットアップ」と自分で言わなければインプレーだったわけです。二度打ちなんて自分で故意でしたなんて言うわけないですしね。

 

ところが2018年度からは「え、いまタッチネットしたよね?」「え、いま2バウンドだったよね??」「え、いまオーバーネットだったよね!?」とか言って、相手に文句を言えるようになったのです!!ただし、言おうと思った場合はその瞬間にプレーを止めて言わないと、ポイント終了後の抗議は無効です。

 

サーバーが勢い余って「レット」とコールしたのを「ネット」と言ったと誤魔化すケースも考えられます。サーブの「レット」はレシーバーしかコールできず、サーバーがコールした場合は失点になってしまうので(まぁレシーバーの同意があればそのまま「レット」となるので普通は問題ないでしょうが)。

 

ですが、これらのケースが起こって当人同士で解決できなかった場合、大会スタッフやロービングアンパイアを呼んでくることになるわけですが、見てもいないのに解決しようがありません。自然、観客や応援者に話を聞くか、ポイントレットでサービスからやり直し、くらいしか解決策がないわけです。

さいごに

ルール改正については、社会人になって和気あいあいテニスするだけとか、出ても市の大会くらいというなら、完全スルーで大丈夫です。

なんなら私も知らなかったですし、今後気にする予定もありません(`・ω・´)シャキーン

 

一番大事なのはセルフジャッジ5原則、そして相手に不快な思いをさせないこと。これさえ守れていればルール改正なんて関係ないですからね。

セルフジャッジの細かいルールはむしろ、どうしても勝ちたい、絶対に勝ちたいと思うような試合に出て、戦術的に相手を貶めようと揺さぶろうとする相手からの防御壁として、事前にチェックしておく程度のものではないでしょうか。気持ちよくテニスしたいのに、ぐちゃぐちゃ言われて乱されるのはご勘弁ですからね。

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