テニス初心者〜中級者がバックハンドで悩むポイントの一つにグリップがあります。
フォアハンドで打った後の握り変えがうまくいかない・・・
バックハンドのグリップがしっくりこない・・・
いわゆる「グリップチェンジ」が上手くいかないのです。
今回はそんなお悩みを少しでも解消していければと思います。
ソフトテニスはワングリップでもいける
私はソフトテニスから始めたくちで、ずっとワングリップ(ウエスタングリップのみ)でフォアもバックもサーブも、時々ボレーもスマッシュもやってきました。
▼ ウエスタン?コンチネンタル??って方は先にこちらからどうぞ ▼
ソフトテニスは一般的にフォア、バック、ボレーはウエスタンやセミウエスタングリップ、サーブやスマッシュはコンチネンタルやイースタングリップで打つ人が多いです。
私は不器用で、かつ後衛だったので、ウエスタングリップ一本で頑張ってました。
試合とかでラケットをくるくる回す所作を見かけると、信じられない思いでしたし、なんなら「遊んでんのか!」と腹を立てる始末でした。
ですが今思えば、この動作ってラケットとの親和性が高いからこそできることで、これができないってことはサッカーしてるのにリフティングができないようなものなんですよね。
それに1回打つごとにグリップを緩める効果もあります。
これが結構大事で、ワングリップでずっと握っていると手がガチガチになって、しなりの効いたボールが打てなくなっていきます。
私は初心者の頃、ウエスタングリップで握ってるはずなのになんかズレてるような気がする・・・、面がブレるのはグリップのせいな気がする・・・と、長いこと違和感を持ち続けていました。この違和感は知らぬ間に消えていましたが、そりゃずっとウエスタンで握り続けていれば力も入りますし、左手なんてまるで使えてなかったので尚更ですよね(;´Д`)
もっといえば、グリップなんて多少ズレても打点が合えば良いボールは打てるのですから、そんな細かいことに目を向ける前にもっとやることあるだろって笑
その後、硬式テニスを始めることになったのですが、コンチネンタルグリップに慣れるまで相当時間がかかりました。
まずはグリップに慣れること
ずーーっとウエスタングリップでやってきたのに、コンチネンタルグリップなんて違和感しかありません。
そもそもウエスタンでもある程度できるのに、いまさらコンチネンタルに慣れる必要があるのかと。
ですが、硬式をやればやるほど、コンチネンタルグリップは使えないと無理だな・・・と感じ始めるわけです。
特にボレー。
軟式のようにネットベタづきでは怖いものがありました(上手い人はそれでも平気なのでしょうが、私は下手な後衛でした^^;)。
で、下がってやるとなるとウエスタンじゃ低い打点は対処できない。それに平行陣という慣れない陣形もある。
なので、ボレーボレーや、ボレスト(ボレー対ストローク)練習のなかで、徐々にコンチネンタルグリップに慣れていきました。
あとは、コンチネンタルグリップでの球突き。ジョコビッチや錦織などがサーブ前にやるやつです。よくあんなに速く球突きできるものだと、何気ない動作からもプロを感じます。
もちろんこの頃は、グリップチェンジなんてできるわけもなく、まずはコンチネンタルグリップへの違和感を消すことで精一杯でした。
バックハンドも硬式の両手バックや片手バックなんて打てないので、軟式バックのままやっていました。
グリップチェンジのコツ
練習を重ねるうちに、コンチネンタルグリップへの違和感は徐々に消えていきました。
右手でラケットをくるくる回すことも、ぎこちないもののできるようになっていきました。
こうなってきてはじめて、硬式バックを覚えるための準備が整ったように思います。
やっと変な癖のついていない初心者と同じスタートラインに立った、といったところです。
まずは硬式の両手バックハンド。
基本は右手コンチネンタルグリップ、左手セミウエスタングリップ。
上手く打てないのはもちろんのこと、ここで苦しむことになるのが「グリップチェンジ」です。
フォアのウエスタングリップから、瞬時に右手コンチネンタルグリップに持ち替えなければならない。
如何せん軟式バックに慣れていることもあり、ついついそのまま打ってしまいます。
ゆっくりならできるのですが、ゆっくりだと間に合わないんですよね。
上手くいったとしてもグリップチェンジに気をとられて「ウォーっっ」ってなって、ボールを正確に捉えるどころではない笑
ボレーはテイクバックもスイングも要らない分、意外と時間はあるし、精神的余裕もあるんですよね。
だけど、バックハンドは相手のボールがバックに来ると見極めた上で、グリップチェンジ⇒テイクバック⇒スイングとしなければならないので、グリップチェンジに対する悩みポイントとしては一番大きいのだと思います。
だから、バックハンドの話題でグリップチェンジについて取り上げたのだけど。
で、これについてもコンチネンタルグリップへの違和感を消していくことと同じで、繰り返し練習するなかで身につけていくしかないのですが、いくつかコツがあるのでご紹介しますね。
バックハンドへのグリップチェンジ その1:多少ズレても気にしない
グリップがブレブレだと、しっかりと返球できないのは言うまでもありません。
しかし、グリップ以外にもフットワークやら打点やらテイクバックやらスイングやら、いろいろ問題はあるわけです。
なので、私のようにグリップだけに固執するのもあまりよくありません。
基本的にグリップは薄くなるほどフラットに当てやすく打点は後ろ、厚くなるほどスピンをかけやすく打点は前になります。
なので、右手コンチネンタルを基準として、状況に応じてそれより更に薄くしたり厚くしたりと、上級者になるほど細かくグリップ調整するプレーヤーもいるわけです。回転を強くかけたいから厚めに握る、リターンはコンパクトに叩きたいから薄めに握る等ですね。
さらに両手バックであれば、左手との組み合わせでグリップの種類は多様に膨れ上がります。
基本は右手コンチネンタル、左手セミウエスタンが一般的かつ打ちやすいと言われていますが、人によって微妙に微調整はかかるわけです。
フェイスを開き気味(ラケット面をやや上向き)で振るか、反対にフェイスを被せ気味(ラケット面をやや下向き)で振るかによっても、適切なグリップ位置は微妙に変化します。
自分にとってしっくりくるスイングや、しっくりくる打点と相談しつつ、しっくりくるグリップは決まってくるので、
基本は大事ですが「グリップが何度ズレた!」とか「いつもとちょっと違う握りになった!」とか、いちいち気にせずに練習していきましょう。
慣れてくれば自然と概ね同じ位置で握れるようになります。
バックハンドへのグリップチェンジ その2:右手は脱力して左手で回す
右手1本でくるくるとラケットを回すのは、グリップ感覚を養う上で有効です。
それに慣れてくれば右手だけでグリップチェンジできるようになります。
ですが、基本的にグリップチェンジは左手で行います。
右手は緩めておいて左手で回す。
右手は緩めておいて左手で回す。
右手は緩めておいて左手で回す。
こうすることで右手をリラックスさせ、ニュートラルな状態を保つこともできます。たとえワングリップだとしても、打つたびにラケットを回すなどして、毎回腕・手・手首を緩めることで緊張をほぐすのは有効です。
そしてグリップチェンジを行うタイミングはテイクバックの初期、身体の前で手首の背屈を利用して行います。
左手でのラケットの回し方ですが、、、ラケットのスロート部分、もしくはグリップ上部をしっかり握って回します。
スロート部分はラケットの中心近くにあり、てこの原理でラケットを軽く持てるポイントです。
ちなみに私の場合、軟式の頃から以下のように持っていた(画像1)のですが、、、
これだと左手で回しにくいですよね(左手でテイクバックはできますがグリップチェンジはしづらい)。
なので、このようにガッツリスロート部分を握ったほうが回しやすいです(画像2)。
テイクバックを始めると同時に、時計回りに回していきます。
右手首のかたちをインパクトの状態と同じかたちにしておけば、なおGoodです。
バックハンドへのグリップチェンジ その3:レディポジション
レディポジションという言葉を聞いたことはありますか?
重心を低くして、どこに次のボールが来ても追いつけるように備える。
で、このレディポジションのときのラケットの持ち方には、ある程度パターンがあることをご存知でしょうか?
突然なんの話かというと、グリップチェンジが間に合わないのは、レディポジションでのよくあるラケットの持ち方を知らないのではないか?ということです。
私は長いこと上に貼った画像1がレディポジションでの持ち方だったのですが、硬式では不向きな持ち方です。なぜなら、バックハンドへのグリップチェンジがしづらい持ち方だからです。
レディポジションでの一般的な持ち方は以下の6通りです。
- 右手フォア、左手バックパターン(両手バック向きのオーソドックスな持ち方)
- 右手フォア、左手スロートパターン(片手バック向きのオーソドックスな持ち方)
- 右手バック、左手バックパターン(完全に両手バックハンドの持ち方、少数派)
- 右手バック、左手スロートパターン(完全に片手バックハンドの持ち方、少数派)
- 右手中間、左手バックパターン(両手バック向きの持ち方)
- 右手中間、左手スロートパターン(片手バック向きの持ち方)
1,3,5は両手バックハンド向きの持ち方、
2,4,6は片手バックハンド向きの持ち方です。
違いはグリップ上部を握るか、スロート部分を握るかだけです。
1,2が最も一般的な持ち方なので、以下に画像を貼ります。
1の右手フォア、左手バックパターンの持ち方(上から見た図)
横から見た図(画像3)
画像3のようにラケットを立てた状態でレディポジションを取ります。(右手首が左に曲がってますが写真を撮る都合なので自然に構えてください^^;)
フォアを打つときは、左手をスロート部分に滑らせ左手主導でテイクバック。バックで打つときは、左手のグリップは出来上がってるのでそのまましっかり握り、右手をコンチネンタルグリップへと回していきます。
次に、2の右手フォア、左手スロートパターンの持ち方(画像2再掲)
斜めから見た図(画像4)
横から見た図(画像5)
画像4や画像5のように構えると良いです。(こちらも右手首は画像より少々背屈していたほうが良いです。力感なくインパクトの瞬間のかたちをそのまま用意しておきます)
フォアで打つときはそのままテイクバックすればOK。バックで打つときは左手を時計回りに30度回転させてバックハンドセミウエスタングリップをつくります(両手バックが左手セミウエスタンが主流なように、片手バックは右手セミウエスタンが主流です)。
そして3,4は最初からバックハンドグリップで構えておこうぜ!って話です。バックハンドが苦手とか、バックハンドを狙われてるときに役に立ちます。この場合は、フォアハンドを打つときにグリップチェンジが必要になりますが、フォアのほうが慣れてると思うのでいくらかスムーズにできるでしょう。
5,6はフォアとバックの中間のグリップで構える方法です。フォアがウエスタン(0度)、バックがコンチネンタル(90度)なら、45度くらいで握っておきます。フォアにきてもバックにきてもグリップチェンジが必要になりますが、グリップを回す距離はどちらも45度短くできます。サーブレシーブやラリーで素早い対応が必要となる上級者に多い握りかもしれません。
さいごに
バックハンドへのグリップチェンジをスムーズに行うために知っておきたいことを説明しました。
私と同じで、意外と知らなかったって人もいるんじゃないでしょうか?
まずは基本のコンチネンタルグリップに慣れること、その上で自分に最もしっくりくるグリップを探しつつ、レディポジションでのラケットの持ち方を工夫してみてください。
グリップチェンジとテイクバックは左手主導が吉ですよ!